『ユリイカ:詩と批評』2020年6月号、特集=地図の世界が出版されました。
このなかで論文「知覚のクラッシュ――盲人と聾者における地図表象」を書きました。ある盲人の女性が愛する男性に出会おうとひとりで街をめぐる物語、ろう者の一少年がシルクロードにある街を冒険する体験を分析しています。錚々たる執筆陣で書いたことを光栄に思います。

以下、「知覚のクラッシュ――盲人と聾者における地図表象」により深く入っていただくための図版や映像を紹介します。

・242頁、図1の「萬鐵五郎《風景》1922年頃」について、掲載されている図版はモノクロですが、カラーはこちらこちらで見ることができる。

・243頁の下段で言及している、「認識のめまい」について。佐藤正幸は日本中心型の世界地図として『万国総図』を挙げる。それが以下の図版。

国立国会図書館蔵

・243頁の下段で言及している、『籌海図編』に収録されている「日本島夷入寇之図」については、注10に記したように、国立公文書館デジタルアーカイブで閲覧可(6-7コマ目)。以下画像は「日本島夷入寇之図」の図版が背中合わせになっていることより、開いてみえるように加工したもの。

・245頁、図3:“A Patch of Blue”(1965、Warner Bros.)
imdbによる紹介。日本では「いつか見た青い空」として公開されているのですが、ソフト化されていません。
予告編は以下より閲覧可。

・245頁、セリーナが交差点を渡るシーンについて分析していますが、このシーンのクリップは以下より閲覧可。

・247-248頁(注24でも)で言及している、京都盲唖院で使用された触地図(凸地図)については例えば関西盲導犬協会の「ハーネス通信」2015年新年号の表紙が参考になる。左側奥に写っているものが触地図の一部である。写っているものは全体の2/3ぐらい。

・253頁、注21で「残像」について言及した際のガンダム F91とラフレシア戦闘シーン。

・249-250頁、『魔城の迷宮』について。字数がないため言及しなかったんですが、最難関エリアとして「闇の迷宮」という真っ暗な建物の中を探索するイベントがあります。そこではイラストがなく文字のみで探索するため、視覚を奪われるような錯覚があったことも補足しておきたい。