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2010-04 journals

ストライプ・レインな月曜日
2010-4-12(Lundi)
春らしくなってきたと思えば、急に冷えたり。
なかなかに油断できない季節。

調査のため、和歌山に行く計画を立てている。はじめて訪問するところであり、とても楽しみ。建築もだけど、なにより風土を肌で感じたい。那智の滝をみたいけれど、結構三重回りになるね。ぐるっと反時計回りに日本列島のラインにそって鉄道を走らせなければいけないのか。そのようなことをイメージするのも楽しい。

フレデリック・ジェイムソン『政治的無意識』が平凡社ライブラリーになったり、エドワード・リード『経験のための戦い』がようやく訳出されたり、春になってうれしいニュースがあった。

西洋美術館でフランク・ブラングィンをみる。父が建築家で本人も建築の勉強をしたことがあるという、そういう美術館の設計プランをみると、展覧室の断面図にすでに絵が書き込まれていて、何を展示しているかもう決めてあったようだ。
和田三造がこれをみたら喜ぶのではないかという海賊の絵《海賊バカニーア》。映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』も思い出す。なぜか、ここ近年、海賊がブームだね。ヤンキーの源流っぽいというのもあるのだろうか。

いろんな人に京都盲唖院の話をする。まるでポストマンのように、京都盲唖院の人々が未来に向けて書き残した事をわたしが今、まさにこの今を生きている人に配っている。

2010年 4月 12日(月) 22時50分13秒
庚寅の年 卯月 十二日 壬辰の日
亥の刻 四つ

ナポレオンの性器
2010-4-10(Samedi)

  


ハーヴァード・アート・ミュージアム蔵。
スケッチしたのは、ジャック=ルイ・ダヴィッド。1805-1824のあいだに描かれたと表示されているので、ナポレオンが亡くなる1821年以降も想定しているのか。
これはあのルーヴルにある戴冠式の絵に関するものだとすぐ思う。衣服を着ていない状態で肉付きから描き始めることを画家はスケッチの段階で試みている。対象があの皇帝ナポレオンでさえも例外ではないということなのだろうか。
上のポーズはなにかルネサンス的だな。
それにしても、ナポレオンの性器・・・。

2010年 4月 10日(土) 00時49分18秒
庚寅の年 卯月 十日 庚寅の日
子の刻 四つ

新年度を迎えて
2010-4-1(Jeudi)
大変ご無沙汰してしまいました。
前年度の12月から3月まで博士論文の提出、公聴会、製本があり、慌ただしくしていた。
そして3月にめでたく工学博士を取得しました。
博士論文の題は

『盲・聾の空間 - 京都盲唖院の形成過程』

となります。要するに日本最初の盲学校と聾学校である京都盲唖院(明治11年創立)の建築がどのように変容しているのかについて明らかにした。



内容の一部。



公聴会では審査していただいた7人の教官との真剣な討議を行った。吉田鋼市先生、北山恒先生、高見沢実先生、大野敏先生からご指導およびご質問をいただいた。
吉田先生からは序論で取り上げる、身体検査の歴史と京都盲唖院の建築論との関連について、北山先生からは京都という共同体について、大野先生からは京都盲唖院の母体となる建築について、高見沢先生からは19世紀ドイツにおける生理学の状況について、多様でかつ鋭い質問があり、討議できたことはとてもよかった。

博士論文を執筆しているとき、本当に数えきれないほどいろんな人にお世話になった。とりわけ、京大の西洋美術史/美学の岡田温司先生にはいつもご心配をおかけしてしまった。

これからは論文を書くだけでなく、いろんな人に、いろんなことを伝えて行かなきゃ行けないという責任ももっと重くなる。
今日を迎えて、初体験のことだらけだった・・・立ち止まることは許されない、こつこつと、しっかりとやっていこう。

最近松原さんの資料を少しずつ集めはじめ、日本ではまったく無名なのに向こうではものすごい語学力で有名な人だったようだ。わたしはまだまだ松原さんの足元に及ぶものではない。もっと勉強しなければ。

あらためて、これからもどうぞよろしくお願い致します。


2010年 4月 01日(木) 23時53分45秒
庚寅の年 卯月 一日 辛巳の日
子の刻 二つ

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