ロゼッタ・シャーウッド・ホール日記の復刻について

最近、ロゼッタ・シャーウッド・ホール(Rosetta Sherwood Hall)の日記が復刻されました。近代を生きたこの女性はアメリカから日本を経由して朝鮮にわたり、夫・ウィリアムとともに布教を行います。ウィリアムは1894年に朝鮮で亡くなったのですが、ロゼッタはひきつづき活動を継続しています。この活動では医療や教育に携わるのですが、1898年に平壌で盲学校を開いたということに注目しています(聾学校は1909年とやや開きがあります)。そのホールの日記7冊がソウルの楊花津外国人宣教師墓地に寄贈され、このたび復刻されました。楊花津に日記の原本が寄贈されたのは、この墓地にウィリアムが埋葬されている縁があることによります。この日記は全6巻の刊行が予定されており、4巻は日記、2巻は育児日記という構成になっています。日記はすべて出ており、育児日記は今年刊行予定だそうです。
 
これらの日記は4つのヴァージョンがあります。まず、韓国とアメリカで出版されています。韓国で刊行されたものはこちらです(出版社による第1巻の案内ページ)、アメリカではEsther Foundationが発行しています(アマゾンでも買えます)。これらには微妙な違いがあり、韓国で刊行されたものは日記すべてのページを画像として掲載しているため資料的価値が高いものです。後者は未確認ですが、プレビューを見るからに英語の文字起こしのみのようで、さらにモノクロ、カラー、Kindle版に分かれています。なので、現状としては4つのヴァージョンがあるわけで、ホールの事業を周知したいという強い熱意が感じられます。
 
注意しておくこととして、日記自体はウィリアムの亡くなる1894年11月の直前で終わっているので、平壌盲唖学校についての記録は何もありません。それでもなお、多くが明らかになっていない平壌の盲唖学校をリードした人物の思想、朝鮮における生活について把握できるという意味で不可欠な史料です。

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